かぼちゃの馬車問題で話題のスマートデイズ社。
ついに2018年4月9日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、経営破綻しました。
3月末現在で債権者は911人、負債総額は60億3500万円というかなりヤバイ状況です。
スマートデイズ社の今後の動きが気になりますが、お知らせの中に「入居者の生活インフラが寸断される状態」というパワーワードが。
気になったので民事再生法や内容について調べてみました。
◆2018年4月18日更新
後述しますがスマートデイズの民事再生申立が棄却され破産しました。
スマートデイズ社が申請した民事再生法、民事再生手続きとは
民事再生法とは経済的苦境に陥った会社について、裁判所及び裁判所から選任された監督委員の下、債務者(今回の場合スマートデイズ社)の事業または経済生活の再生(関係者との権利関係の適切な調整含む)を目的とする日本の法律。
民事再生手続きとは上記法律の元、申請を行ったということです。
簡単に言えば法人の自己破産で、実質的な倒産手続きと言えます。
民事再生手続き後は債務者の資産保全が行われます。具体的に言うと債権者(今回の場合主にサブリース賃料が未払いのかぼちゃの馬車の物件オーナー)による偏頗的な債権回収行為を防ぐことです。
なので債権者向け説明会が行われるのが通例で今回のケースでもかぼちゃの馬車オーナー向けの説明会が行われます。
権者向け説明会等で主要債権者の多数から強硬な反対がない限り、再生手続が開始されます。
逆に主要な債権者等から強硬な反対意見が出て再生計画策定の見込みがなければ、再生手続は開始されず申立てが棄却されて破産手続開始に至ります。その場合債務者は破産手続に基づき清算されます。
入居者のインフラが寸断されるというパワーワード
で、スマートデイズ社の「民事再生手続開始申立てについてのお知らせとお詫び」には以下の記載があります。
しかしながら、目下の弊社の資金繰りに鑑みますと、入居者様居住物件における水道、電気、ガス、インターネットなどの生活インフラの確保が困難となるおそれがございます。
弊社と致しましては、可及的速やかに、弊社以外に入居者様の生活インフラを確保する
主体に対し、入居者様居住物件の管理主体の変更をお願いする次第ですので、大変身勝手なお願いとなりますが、入居者様の生活インフラが寸断される事態が一時的にも生じることがないよう、関係各位の皆様には、格別のご理解を賜れますよう、切にお願い申し上げます。
「入居者様の生活インフラが寸断」というすげーパワーワード。入居者にとってはたまったものではないですね。
これは一般の賃貸物件と違いシェアハウスの水道、電気、ガス、インターネットなどのインフラ料金は個人でなく貸主側で一括で契約してるからでしょう。管理会社が支払うのですが、今回管理会社はスマートデイズ社なので万が一破産すると支払能力が無くなるということです。
「大変身勝手なお願いとなりますが、入居者様の生活インフラが寸断される事態が一時的にも生じることがないよう、関係各位の皆様には、格別のご理解を賜れますよう、切にお願い申し上げます。」
という「格別のご理解」ってなんだよって表現がありますが、これは民事再生手続きの説明会で強硬な反対意見を出して訴え続けると民事再生手続きできずそのまま破産するから勘弁してくれ、って意味です。
でもかぼちゃの馬車オーナーからすれば民事再生手続きしたからと言ってサブリース賃料が支払われる保証はないです。もちろん今のスマートデイズ社に支払能力が無いのは事実なのですが。
かぼちゃの馬車のオーナーのサブリース賃料はどうなる?
「後も、可及的速やかな、サブリース賃貸借契約の終了及びこれに伴う入居者様の居住物件の管理主体の変更を進め、入居者様の生活インフラの維持が確保されるよう努めて参る所存です。」
という表現があり、サブリース契約は解約の方向で進むようです。
でスマートデイズ社の「取引債権者・オーナー様用FAQ」を見る限り民事再生手続きの中で決めるから未定とあるので賃料が支払われるかはまだ分かりません。
「かぼちゃの馬車」のシェアハウスの入居者はどうなる?
管理会社であるスマートデイズ社はサブリース契約の解除を進めていて、第三者へ移管されるようですが入居は継続できるようです。
ただスマートデイズ社の「入居者様用FAQ」を見ると
「移管先・オーナーだという人から賃料を支払って欲しいと言われている。誰に支払えばよいか。」
「オーナーだと言う人に退去するよう言われたがどうすればよいか。」
という質問があり、物件オーナーが入居者に直接回収しようとしてる人がいるようでカオスな状態が見えます。
民事再生手続き後のスマートデイズ社の今後について
民事再生手続きについては以下のサイトが分かりやすいです。
事業の再建と再生計画案策定が行われ、資金集めとしてスポンサーの選定作業があります。
が、以前以下の記事で説明したとおりかぼちゃの馬車物件はシェアハウスとして品質が悪いのでスマートデイズ社のスポンサーが現れるかは謎になっています。
【関連記事】シェアハウスとサブリース自体は悪くない。かぼちゃの馬車問題を考える、スマートデイズやスルガ銀行とオーナーの関係
【2018年4月18日追記】スマートデイズの民事再生申立が棄却され破産
スマートデイズの民事再生申立が棄却され破産しました。
前述の通り、4月12日および14日に開催された債権者説明会を開いたものの、不動産オーナーを中心に不透明な資金の流れなどを指摘する声があがり許されませんでした。
東京地裁より民事再生の申し立てを棄却され、保全管理命令を受けた。今後、職権による破産手続き開始決定を受ける予定とのこと。
まぁオーナーからしたら「逃さん、お前だけは・・」って感じですよね。