果たして保険は資産と言えるのか?
資産運用というと、不動産、株式、為替、債券、そして最近では仮想通貨などに資金を投入することをイメージすることが多いものです。
一方で、この中に保険を含める人もいます。確かに、保険の中には積立式のものもあり、一定の割合で払い戻しが利子付きでなされます。
そのため、リスクを回避すると同時に貯蓄ができるということで、資産運用の一部になるという見方をする人もいるのです。
資産形成という面では、株式や不動産投資に比べるとはるかに利率は低いのですが、リスクはほぼない手法ですし、多額の資金が必要となるわけではありませんので安定性は高いと言えるでしょう。
資産を増やすというよりは守るための手段となる
保険はあくまで万が一の際のリスクを回避するための商品です。そのため、積極的に資産形成するための方法とは言えません。
この意味では、明らかに不動産投資などの方法とは異なります。資産を殖やすというよりは守るための商品で、資産形成に必要なリスク回避には役立ちますが、プラスに働くことはほとんどありません。
多くの保険商品は保険料金が掛け捨てとなっていますので、利益になることはありません。貯蓄型の保険としても、それほど高い利率でバックがあるわけではありませんし、通常は元金より減少してしまうものです。
そのため、資産形成ができる保険というのはほとんどありません。もちろん、保険利用時に万が一があった時は、元金以上の保険金支払いがありますので、大きなリターンを生むことになります。
こうした保険利用におけるリターンという意味では、資産を殖やすものとなることになります。
保険の目的を理解してバランスよく利用する
このように、保険はあくまで資産を守るという目的を持っています。もちろん、中には貯蓄手段として優れている保険プランもありますが、その分のお金を他の投資手段に回した方が利益効率という意味では優れています。
そのため、保険の目的をしっかりと理解して、他の資産運用手段とバランスよく組み合わせることがなにより大事です。
積極的に資産形成して殖やしていく不動産や株式などへの投資と、万が一の際のリスクを回避できる保険を同時に利用することで、あらゆる状況に備えることができるのです。
この際には、保険と他の投資手段とのバランスを取ることを意識しましょう。万が一の備えは大事ですが、あまりに保険にコストをかけ過ぎてしまうと、全体的に効率の悪い資産運用となってしまいます。
どちらも必要なものですので、上手に配分をして攻めと守りをバランスよく実現することが、安定的で効率の良い資産運用のカギとなります。