LCレンディングとは
LCレンディングは2015年4月からソーシャルレンディング事業に乗り出した会社です。
会社の設立は2014年の12月。親会社はジャスダック上場企業であるLCホールディングスです。
LCホールディングスは不動産関連の事業を手掛ける子会社を複数抱えており、LCレンディングもその中の一社として位置づけられています。
なおソーシャルレンディングは案件と事業者リスクがあるので分散投資をオススメします。万が一事業者の不祥事があると投資金の返却可能性は低いからです。
ソーシャルレンディング事業者の正しい選び方は以下の記事をチェックしてみてください。事業社はたくさんありますが稼ぎやすい会社は限られ、選び方にコツがあります。
⇒ソーシャルレンディング事業者の選び方。違いと比較のポイント
LCレンディングの特徴
まずソーシャルレンディング事業者としてのLCレンディングの特徴を見てみましょう。
案件数と申し込みやすさ
LCレンディングがこれまで投資家に提供してきた案件数は800件弱となっています。約3年間で800件ですから、平均すると一ヶ月に20件から25件程度の案件を提供しています。
募集開始直後に上限金額に達することは少ないため、SBIソーシャルレンディングのようにすぐ埋まって募集終了。とはなりにくいです。
比較的投資がしやすい会社と言えるでしょう。
ただし、一瞬で投資上限金額まで埋まってしまうことがないということは、投資家から見ると非常に魅力的な案件を提供しているわけではないとも考えられます。
案件の傾向
LCレンディングの案件は国内不動産プロジェクトへの融資案件がメインです。
これはLCホールディングス自体が様々な不動産開発案件を手掛ける会社であり、LCレンディングがグループ内企業に資金を融資。融資先の事業においては不動産物件の運営費の調達、または開発費などに充てられているという特徴があるからです。
またLCレンディングはLCホールディングス内の資金調達部門として、ソーシャルレンディング事業に取り組んでいます。
不動産開発事業に特化している会社であるため、不動産業界の景気が悪くなると一気に収益性が悪化し、投資リスクが顕在化してくるなどの問題点が挙げられます。
ただ現在の不動産業界は好況であるため、LCレンディングからの案件も豊富に提供されており、事業も順調に進んでいるようです。
案件の収益性
案件の運用利回り見るとLCレンディングの案件の利回りは5%から8%台が多いです。
ソーシャルレンディング業界内では平均的な利回りですね。
10%以上という極端に高い利回りの案件はないため、収益性のみを追求したいという投資家の方には向いていないかも。ただ逆に言えば融資先の返済負担が少なく貸し倒れリスクが少なく安定してるとも言えます。
案件の運用期間は6ヶ月~15ヶ月がほとんどです。
短期から長期運用まで幅広く選べます。
1年以上の長期案件&利回り8%以上のものもあり、収益性はありますね。
案件の安全性
案件の安全性を見ると担保付・保証付などの非常に確実性が高いもの、担保も保証もない代わりに利回りが高い案件の二極化。
担保付き案件について言えばLCホールディングスは不動産開発事業を手がける会社だけに、不動産担保の多くなっています。その為万が一事業に失敗したとしても、不動産を売却することである程度のお金は返ってくることが期待できます。
さらに保証付きの案件もあり、担保と保証が厚く対象案件はかなりの高確率で投資資金を回収できるでしょう。
一方で担保も保証もない案件もあります。運用利回り8%以上など高い利回り設定が多い。
で対象案件の内容を見ると、医療機関に対する融資が大きく倒産する可能性が低い事業者への融資と考えられます。
医療機関は国からの補助金も豊富にもらえますし、売上競争などに巻き込まれて倒産する危険性は非常に低いです。そのため担保や保証がなくてもある程度の貸し倒れリスクの軽減が行われていると言えます。
もちろん返済不能リスクが0ではないので、安全性を見れば担保付・保証付案件よりも低くなります。
会社規模などの事業者リスク
LCレンディングはジャスダック上場企業LCホールディングスの子会社でありコンプライアンスなどの法を遵守する意識が高く、また投資家に対して不利益を被らせる見込みは低いと考えられます。
子会社が不祥事を起こせば、上場企業である親会社の信用にも影響しますし、最悪の場合、親会社が上場取り消しになることもあり得ます。
子会社が親会社に与えるリスクを考えれば、LCレンディングが投資家に対して裏切りとも言えるような行為を起こす可能性は低いと言えるでしょう。
まだLCレンディングの業績はホームページで掲載されており、黒字化を達成しています。ソーシャルレンディング会社の中では事業者リスクはかなり低いと考えられるでしょう。
LCレンディングの社長である山口氏はホームページ内で社長ブログを開設しており、投資家と直接やりとりを行っています。
社長個人の情報発信として、また自社の案件の紹介や業界ニュースなどを届けています。またブログのコメント欄で投資家からの質問を受け付けています。
LCレンディングで何か疑問に思ったことがあれば、ブログを通じて社長に問い合わせてみるのも良いでしょう。
LCレンディングの手数料
LCレンディングの出金手数料はmaneoグループのシステムを利用しています。そのため三井住友銀行以外から3万円以上出金すると、432円の手数料がかかってしまいます。
また『月何回までは出金手数料が無料』といったネットバンクのようなサービスはなく、出金手数料は高めです。
入金手数料に関しては他の会社とそう変わりませんが、基本的には投資家負担です。こちらもネットバンクなどに口座を開設しておきましょう。
LCレンディングは貸し倒れはあるのか?返済実績について
LCレンディングが公表しているローン返済実績です。LCレンディングのソーシャルレンディング運用実績は金額にすれば210億円、そして案件は800件弱となっています。
貸付件数 | 返済中 | 完済済み | 貸し倒れor分配金の遅延 |
---|---|---|---|
1576件 | 358件 | 1218件 | 未公表 |
↑1案件は2つの融資先がセットなので800*2で1600。1576件はあってますね。
返済実績は公表されていますが、貸し倒れや延滞発生のデータは公表されていません。なので返済中の中に含まれている可能性も。(maneoは予定通りの返済中と延滞、貸し倒れをきちんと区別してデータ公開している)
ただ数字だけをみればおそらく貸し倒れや遅延はないと思われます。
グループ内への融資が中心であるため、「融資基準の審査が甘くなるのではないか」という懸念も発生しますが、現時点では少なくとも融資先の事業リスク、そして収益性を判断する目は確かだと言えるでしょう。
また返済実績が確かでありながらも、保証付・担保付の案件があるため、投資家は非常に高い確率で利益が得られていると言えます。
LCレンディングのメリット
LCレンディングは担保と保証を両方付けた案件を提供する珍しい会社です。他社だとmaneoぐらいでしょう。
二重の保証に加え、万が一の時はジャスダック上場の親企業からの保証がありそうという点で、貸し倒れ時も保証が受けられる可能性は高いでしょう。
また社長がブログを公開して質問を受けているなど、投資家への情報開示姿勢も積極的です。
こういった会社としてのスタンスと上場企業が背景についているという二重の意味で、事業者リスクが大変低い投資先だと考えられます。
LCレンディングのデメリット
LCレンディングのデメリットはあまり利回りが高くないというところです。最高で利回り9%という案件もありますが、目立って高い利回りを提供しているわけではありません。
LCレンディングの中で利回りが高く設定されている案件は保証がついておらず、貸し倒れが起きた場合にどうなるのかが不安です。
これは明示されている情報ですが、LCレンディングはLCホールディングスグループ内の企業にのみ融資を行っています。グループ内企業の倒産があれば出資元のLCレンディングもダメージがありますね。
LCホールディングス自体が不動産事業に特化しているため、不動産業界の市況の影響をダイレクトに受けるという問題があります。現在の不動産業界は活況を呈していますが、2020年の東京オリンピック開催後は縮小する可能性が高いとみられています。
現時点ではLCレンディングは安心できる投資先かもしれませんが、2年後3年後を考えればLCレンディングのみで投資することは危険でしょう。
LCレンディングは使うべきか?
LCレンディングは現時点では事業者リスクが低く、分散投資先の候補の1つとなりえます。
maneoと一緒にセミナーを開催していたり、ブログを通じて社長が一般投資家とやり取りをしていたりと、投資家に目を向けている姿勢も安心できるポイントと言えるでしょう。
会社としての姿勢は問題ないのですが、やはり不動産事業にのみ融資、そしてグループ内のみに融資しているとなると、リスク分散面は気になるかもしれません。
メイン投資先としての信頼性は十分なものがありますから、不動産関連事業はLCレンディング、そして他の投資先の業界は他のソーシャルレンディング会社で投資するなど、リスク分散を忘れなければ十分信頼がおけるソーシャルレンディング会社といえます。
なおソーシャルレンディングは案件と事業者リスクがあるので分散投資をオススメします。万が一事業者の不祥事があると投資金の返却可能性は低いからです。
ソーシャルレンディング事業者の正しい選び方は以下の記事をチェックしてみてください。事業社はたくさんありますが稼ぎやすい会社は限られ、選び方にコツがあります。